設計日誌
一昨日の地震は、10年前の嫌な記憶を蘇らせる嫌な揺れでした。
被害に遭われた方、お見舞い申しあげます。
一昨日の話になりますが、特別講師として教育に携わらせて頂いている東北芸術工科大学の卒業制作展に行ってきました。
建築、プロダクト、グラフィック、工芸、テキスタイル、彫刻・・・
毎年定期的に東京の美術館を巡ることも、コロナ禍で出来なくなっていたので、とても久しぶりに沢山のデザイン、アートに触れ、心の影響補給が出来ました。
今年は、コロナウイルス感染予防のため、一般の入館は入場制限され、招待枠で鑑賞させていただきました。
来年は、平常通りの展覧会になると良いですね。
今年は寒いので、水道管が凍結したとか、給湯器の動作がおかしくなったという声を聴きます。
そのようなときは、極力不具合の是正対応を優先し、素早い初動を心がけています。
3年前に完成した原町の家の外部の鉄骨庇の柱が「裂けた」っと聞き、慌てて伺うと
柱内部に雪解け水が入り込み、柱内部で凍結して「裂けた」ようです。
4.5mmもある厚さの鉄の板が凍結によって裂けるとは、、、
想定外でした。
っといってもこのままでは美観、品質共によくないので、後日、無償で柱を交換と今後同様のことが起きないように予防策を施すことに致しました。
設計事務所はアフターメンテナンスが心配。と思われる方が多いですが、そんなことはありません。
施工していただいた工務店にきちんと対応を指示し、メンテナンス対応を致します。
節分、立春が過ぎ、暦の上では春ですが、まだまだ寒いですね。
住宅を設計する場合、クライアントの生活を第一に設計します。
でも、それだけではただ単にクライアントの一過性の要望に応えているだけになってしまいます。
住まいはほとんどの場合、クライアントが生きている間、ずっとその場に建ち続けます。
クライアントが生きている間に、好みや流行は変化しますが、建築が建つ場所の歴史や文脈は変わりません。
いつまで経っても建築に愛着をもって生活を送る為には、敷地の個性を観察し、そこから生まれる姿とクライアントの生活を密接に結びつけるべきだと感じています。
その答えは、一過性の要望に応えるよりも難しく、時間がかかります。
それでもそのカタチを求めるのは、「時代に消費されない建築」の可能性を信じているからです。
少しずつ敷地と生活が結びついた住まいのカタチが見えてきました。