• 竣工:
    2022年12月竣工
    用途:
    専用住宅
    構造/規模:
    木造在来工法/地上1階
    所在地:
    福島県南相馬市

福島県南相馬市に建つ平家の住宅。
敷地内にはパーゴラ状の下屋空間を持つ倉庫が建ち、南北を道路に挟まれている。
3.11に伴う原発事故により、帰宅困難地域に指定されていた計画地域は、人の通りがまばらであるが、本敷地の南側前面道路は、最寄りの駅から近隣の高校までの最短ルートになっているため、登下校時の学生の往来がある。
クライアントは家族が集うキッチンが中心にある開放的な住まいを求めていた。

東にパーゴラ、南北にサンルームがぐるりと住まいを取り囲む平家の住まいとしている。
パーゴラは、既存倉庫とつながり、葦簀をかけたり、グリーンカーテンをかけたり、ブランコを設置するなど、クライアントによってカスタマイズ可能な余剰空間となる。
陽光で満たされ、玄関、アウトドアリビングであり、住まいを地域に開く縁側のような南側のサンルームと、安定した天空光で満たされた北側のサンルームで主空間を挟むような空間構成とすることで、プライバシーに配慮しつつ、家族が集うキッチンを中心に生活空間が外部に滲み出るような空間とした。
住まいの中央に配置したキッチンは、トップライトによって採光を得るとともに、チムニー効果による自然換気を促す。
パーゴラ、サンルーム、トップライトは、住環境をチューニングする環境デバイスであり、住まい手は能動的に環境を選択する。

設計日誌