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- 竣工:
- 2017年1月
- 用途:
- 専用住宅
- 構造/規模:
- 木造在来工法/地上2階建て
- 所在地:
- 仙台市青葉区
- 撮影:
- 小関克郎
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Replan東北vol.60掲載
第11回JIA東北住宅大賞 優秀賞
敷地は、仙台城下町の北部、北山丘陵地の北側に沿って走る仙台と山形を結ぶJR仙山線沿いに位置する。かつて、北山は奥州街道や根白石街道の関門として仙台藩の鬼門の守りとされた地であり仙台城下町のedgeだった。敷地北側には仙台市民はもとより宮城県民にとって誰もが親しみを持っている奥羽山脈の船形山山系の泉ヶ岳が望める開けた眺望と大きく空が広がっている。住まいを成立させる最小限の設えとしての機能に従属する2層のコアをぐるりと機能を抽象化した中間領域が囲む。そこが廊下よりもほんの少し広く太陽の光が降り注ぐ場所であれば、日向ぼっこをしたいし、また、洗濯物を干したい、観葉植物にとっても最適な場となる・・・このように、コアと中間領域のedge「ふち」は、環境と空間と心の動きによって多様な「エン」を構築する。
そうやってスタディを重ねて出来たプランを観ていると、ある領域を定義する「ふち」を描くことによって、同時にその外との「エン」が展開し、本来であれば明確な線によって分けられるはずの機能に従属するコアと機能を抽象化した中間領域との「ふち」が空間と機能を相互補完することにより曖昧に溶けて広がるような状況が生まれた。最低限の設えのコアはその面積以上の広さを獲得し、曖昧な中間領域は隣接するコアの機能によって僅かながらに機能を帯びる。クライアントが求めた「大きく開放的な家」は、大きな空と開けた眺望を楽しみながら、生活の中で心の赴くままに過ごすことができる身体的感覚においても心理的感覚においても「大きく開放的な家」となった。