• 竣工:
    2016年8月
    用途:
    専用住宅
    構造/規模:
    木造在来工法/地上2階建て
    所在地:
    仙台市太白区
    撮影:
    小関克郎
  • Replan東北vol.54 掲載

    第12回JIA東北住宅大賞 優秀賞

郡山遺跡の外堀沿いに建つ敷地面積72㎡、延床面積82㎡の狭小住宅。
敷地を観察すると、風が外堀に沿って吹き抜ける。
正午以降、周辺の住宅の影が外堀を流れる川に落ち、外堀を吹く風は冷却され、皮膚表面の気化冷却により、外気温が30度を超える日でもさわやかな風を感じることができた。
郡山の狭小住宅は、準防火地域に建つ。狭小であるが故に、開口部は全て延焼ラインに掛かり、防火設備が必須となる。
開口部の計画はコストに対し大きなインパクトを与える。風を取り込むために大きな開口部を開けるとそれによってコストも大きく上がる。
防火壁を兼ねたウィンドキャッチの袖壁により開口部を非防火窓とし且つ、堀に沿って流れる風を取り込み、外気温33度でも体感はかなり涼しい家になった。
中央に配置した吹き抜けのチムニー効果により空気を動かす。
前述の防火壁により吹き込んだ風は、トップライトにより誘引され効率よく空気を循環させる。
チムニー効果を最大限活かすために吹き抜けは可能な限り高く設けた。チムニーを高層化することにより得られた天井高、床下収納、ロフトは、狭小地の営みにゆとりと快適性をもたらす。