• 竣工:
    2015年11月
    用途:
    専用住宅
    構造/規模:
    木造在来工法/地上2階建て
    所在地:
    大崎市
  • 第10回JIA東北住宅大賞 優秀賞

敷地には、土管、インターロッキングブロック、コンクリート平板、透水トレンチ管、砕石などの建築材料が廃棄物のように散在し、倒壊寸前の作業場、敷地南側に3棟のプレファブが建っていた。
プレファブの家主は、クライアントの両親であり、3.11の東日本大震災で母屋が半壊し、プレファブを自らカスタマイズして住んでいた。4年という月日が、プレファブを生々しいエネルギーを纏った住まいへと姿を変え、元々母屋があった敷地はドラえもんに度々登場する空地のような土管が転がる荒野へと姿を変えていた。敷地に散在する建築材料は、クライアントの父がプレファブをカスタマイズするために収集したものである。
一見ゴミと思われる散在する建材は、クライアントの父にとっては住まいをカスタマイズするための大切な建材であるが、それを如何使うかは決まっていないし、使い方も分からない。故に家族はそれをゴミと認識している状況であった。
廃棄するにも費用が掛かり、家族喧嘩の元凶となるこれらの建材の価値を見出し新たな環境をつくることが一つ目の課題である。
2つ目の課題は、これまでそれぞれの生活を営んでいきた4世帯の異なる家族が住むということである。
クライアントである若夫婦と二人の子供、プレファブに住むクライアントの父母、父方の曽祖父、母方の曽祖母の4代4世帯が暮らす。各世帯がストレス無くそれぞれの生活リズムを維持しながら繋がりたい時につながることが求められた。