• 竣工:
    2018年11月
    用途:
    集合住宅
    構造/規模:
    鉄筋コンクリート造/地上13階
    所在地:
    仙台市青葉区

仙台市中心部に建つ築30年のマンションの南と西が外部に面する角部屋に暮らす夫婦と家族同然の室内犬のための住まい。
既存の2LDK田の字プランの1部屋は大量の衣類で埋め尽くされ、採光、通風のための窓は、衣類の紫外線劣化を防ぐために閉ざされていた。また、暗く採光の取れないダイニングは、昼間でも照明に頼らざるを得ない状況であり、ステレオタイプの田の字プランに対し、環境と実生活のズレを補正し、南と西に開く環境を存分に楽しむことが出来る住まいを目指した。

南に2ヶ所、西に2ヶ所あった窓を主室に採光と通風をもたらす窓とし、衣裳部屋は安定した光・熱環境を形成するために、南の窓と玄関を結ぶ線上に壁を設け、部屋の機能に応じ、明確な差異のある環境を作り出した。

既存躯体とは無関係に切り出された陽光に満ちた主室は、時代の異なる地図を重ね合わせるように、ステレオタイプの田の字プランを想起する梁が緩やかな領域を構成し、過去と現在が重なり合う。